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ギャラリーびー玉の展覧会


by bi-damas

墨の静けさ

岡田佳子の個展が始まりました。2003年から大学のある京都を中心に発表をつづけ、2007年から08年にかけてドイツを巡回してきた岡田佳子の最新作です。
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彼女は、水彩絵具と墨をつかうのですが、独特のマチエール、塗り重ね、墨の滲み、墨の線。それは、見たことのない世界でした。人物のデッサン力、デフォルメの力強さも「確か」です。彼女とであったときは、まだ27歳でした。わたしが見たときはショートカットでしたが、ドイツに行く前は坊主頭だったそうです。さすがベルリンに近い街に行くとなって、坊主は危険だろうと、伸ばしはじめたそうですが、スキンヘッドはトレードマークだったようで、会期中しばしばその話題でもりあがりました。
岡田佳子は「病気、長患い」という意味の言葉をテーマにしていました。彼女にとって絵をかくことは「病気」という意味にちかいそうで、坊主頭にしてしていたことも、通じるものがあるように感じました。大きな病院のコンビニで働いていて、何人もの患者さんから、わたしも坊主頭なんですよ、と親しみをもって接してもらえたそうです。
傷ついている、病んでいる、悩み、たちどまっている。だれもが抱えているものを、彼女の絵から感じますが、
それは、苦しいものではなく、「濾過」「禊」であり、「救い」であり、大きなものに包まれるかんじがしました。
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展覧会は12月26日(土)まで。月曜休み 平日13:00から20:00まで
by bi-damas | 2009-12-20 12:15