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ギャラリーびー玉の展覧会


by bi-damas

木魚きりん、ベロニーク・ムラール二人展

ベロニークの銅版画には物語性があります。逃げるいのししやハリネズミ、うさぎのかわいそうさが、次の1枚でみごとに逆転します。2枚の繋がりから見えてくるものは、現代の風刺であり、哀しみであり、笑いです。彼女はパリの歴史自然博物館で、古い本の修復や整理にたずさわっています。
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木魚きりんは、nude de nudeというテーマで長年製作しています。木版、リノカットのとても力強い表現です。裸というのは、素直、純粋、命、自然いろいろなものを連想しますが、今回は「命」しかも「命の連鎖」。聞けば、まわりの友人がベビーラッシュで、たくさんの新しい命とであっています。赤ちゃんから力をもらったそうです。
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パリの銅板画と、大阪の木版画、このふたつの組み合わせは、実は2年前の小さな版画展でそれぞれの作品が隣り合わせて展示されたことがきっかけです。互いが版画をはじめたのもほぼ同時期なら、互いが無類の本好き、動物や自然が好き、そしてアナログ派。素朴にして大胆、イメージの豊かなこと、共通するいくつかの印象に、わたしは二人展をそのとき即決めたのでした。
木魚きりんは落語が好きで、お茶と粟おこしが似合う下町のタバコ屋の看板娘さんのようでした。まだ見ぬベロニークさんはどんな人でしょうか。いつの日か、ベロニークさんにお会いしてみたいものです。
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by bi-damas | 2008-03-29 10:30